慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%未満に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。
加齢とともにGFRの値は徐々に低下していきます。そのため高齢になるほどCKDの割合が多くなります。

GFRの低下を加速させる因子として高血圧や糖尿病、脂質代謝異常、肥満やメタボリックシンドローム、さらに腎臓病の家族歴が挙げられます。さらにCKDは、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子にもなっているため、推定糸球体濾過量(eGFR)や蛋白尿・アルブミン尿の組み合わせで心血管死亡リスクを評価することが出来ます 。

CKDでCVDリスクが増加する機序の1つに脂質の質の変化が挙げられます。CKDではそれほどLDLコレステロールは増加しません。一方で、中性脂肪(TG)が高値となり、HDL-コレステロールは低値となります。

そしてLDLがそれほど高くないにも関わらず心血管疾患が増加する原因に大きく寄与しているのがLDLの質的異常である超悪玉コレステロール small dense LDLの増加です。

大学勤務時代の研究で糖尿病患者では腎症の進行とともにsmall dense LDLコレステロールが増加し、LDLの粒子径は小さくなるこを発表しています (Hayashi T, Hirano T, et al: Atherosclerosis. 2008 ;197:154-8.)

CKDでは、より早期に質的脂質異常の治療介入を行うことが心血管疾患の発症予防には重要です。

 

有楽橋クリニック