食事を摂取することで、小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンをインクレチンといい、GIP (グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) とGLP-1 (グルカゴン様ペプチド-1) があります。

GLP-1は、食事を摂取することで小腸にあるL細胞から分泌され、膵臓のβ細胞内からインスリンを分泌させます。さらに近年注目されているのが、GLP-1のインスリン分泌以外の作用です。インスリンと拮抗し、血糖値を上げる膵臓から分泌されるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制します。さらに、GLP-1には胃からの排出遅延作用や食欲抑制作用などがあります。これにより、体重が減少することが報告されています。GLP-1受容体作動薬には当院でも院内で処方を行っている飲み薬(一般名 セマグルチド 商品名 リベルサス)注射薬(商品名 オゼンピックなど)があります。飲み薬は1日1回で、注射薬は1日1回~2回でしたが、最近では週1回のものが主流になっています。いずれの薬剤も、副作用として胃腸症状(便秘やむかつき)、膵炎などが報告されていますので、薬剤を少量から投与を開始して徐々に増量することや、定期的な血液検査などを行うことが大切になってきます。

有楽橋クリニック