新型コロナウイルスが猛威を振るっています。本格的な冬の時期を迎える前に準備できることは何でしょうか?感染予防や体調管理はもちろんのこと、インフルエンザワクチン接種に加えて、肺炎を引き起こす代表的な細菌である肺炎球菌ワクチンの接種が挙げられます。新型コロナウイルス感染時の混合感染や重症化予防のためにも、高齢者や、糖尿病や心臓病、呼吸器疾患といった持病をもっている方は特に肺炎球菌ワクチンを接種しておきましょう。

・肺炎球菌に対するワクチンには下記の2種類の存在します。

①ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン):90種類以上存在する肺炎球菌の型のうち、23種類の血清型に効果があります。65歳以上は、5年ごとの節目の年に、一度だけ公費による助成があります。ニューモバックスの有効期間は5年間になります。

②プレベナー13 (13価肺炎球菌結合型ワクチン):肺炎球菌の13種の血清型に対応しています。ニューモバックスと異なり、プレベナーは一生涯有効です。プレベナーの接種は任意接種(自費診療)となり、2020年からは年齢を問わず肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる患者さんの肺炎予防に適応が追加されています。

プレベナーとニューモバックスは併用して接種することにより、より強い肺炎予防効果が得られることが臨床研究で明らかにされています。そのため、すでにどちらかの肺炎球菌ワクチンを接種した方でも、もう一方の肺炎球菌ワクチンを接種しておくことが肺炎予防のための「備え」になります。

有楽橋クリニック