脂質異常についてのガイドラインである動脈硬化性疾患予防ガイドラインが2022年に改訂されました。

LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれ、動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞を誘発します。さらにそこに加齢や喫煙、高血圧などが加わるとそのリスクが高まります。

冠動脈疾患と血栓性脳梗塞など動脈硬化性疾患について、この先10年以内の発症確率を予測するのが日本の疫学研究である久山町研究スコアになります。性別、血圧、糖代謝異常の有無、LDL-C、HDL-C値、喫煙の有無によりそれぞれのポイントを加算して計算します。

糖尿病や慢性腎臓病(CKD)と診断されている方は、「高リスク」狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の既往のある患者さんは二次予防に該当し、より厳格な脂質管理が必要になります。

また、これまでは空腹時の基準値のみが定められていた中性脂肪値について、随時採血の値で175mg/dLを超えると高中性脂肪血症になる、いわゆる「食後高脂血症」の基準値が定められました。食後高脂血症は、レムナントやsmall dense LDLが増加し、動脈硬化を促進させます。普段の健康診断を空腹時だけで受けている方は、食後で採血してみると食後高脂血症の有無を判断することができます。

健康診断の結果が届いたら、自身の動脈硬化の絶対リスクと、脂質の目標値を確認し、将来の健康のためにその値をしっかりと管理しましょう。

 

有楽橋クリニック