small dense LDL-コレステロールと動脈硬化の関係について、注目されています。

ARIC 研究は米国で行われたコホート研究で、 10,290 例の追跡データを用いました。四分位解析 ではsd LDL-C の第 4 四分位で有意に CHD 発症ハザード比が上昇していましたが、大型のLDLであるlb LDL-C では、CHD との関連性が認められませんでした。これらの結果からLDL-Cの量だけでなく、LDLの‟質”に注目することの重要性が大規模臨床研究でも明らかにされています。

・糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は血糖改善作用以外に、心不全の抑制作用や腎臓の保護作用があることが注目されています。

われわれはSGLT2阻害薬がsmall dense LDL-Cを低下させることを世界で初めて報告しました。SGLT2阻害薬を内服した後のLDL-Cの分画を調べるとsdLDL-Cが有意に低下していました。糖尿病患者さんは、LDL-Cがそれほど増加していなくても、LDLの分画を調べるとsmall dense LDL-Cが増加していることが多いため、small dense LDL-Cをしっかりと管理することが将来の心疾患の発症予防のためには重要です。

SGLT2阻害薬とDPP4阻害薬がsmall dense LDLコレステロールなどの動脈硬化パラメーターに与える変化についての比較研究
・Dapagliflozin decreases small dense low-density lipoprotein-cholesterol and increases high-density lipoprotein 2-cholesterol in patients with type 2 diabetes: comparison with sitagliptin.
Hayashi T, Fukui T, Nakanishi N, Yamamoto S, Tomoyasu M, Osamura A, Ohara M, Yamamoto T, Ito Y, Hirano T.
Cardiovasc Diabetol. 2017 Jan 13;16(1):8. doi: 10.1186/s12933-016-0491-5.

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